(花蓮中央社より転載)日本統治時代に建設された太魯閣(タロコ)峡谷最長の鉄線のつり橋を初代とする東部・花蓮の国家公園内の「山月吊橋」が再建され、4代目として12日に一般公開される。
山月吊橋は、同公園内にある27本のつり橋の一つ。4代目は全長196メートル、幅2.5メートル、谷底からの距離は152メートル。立霧渓に架けられており、西にタロコ峡谷、東に立霧渓谷を一望できる。
同公園管理処の解説員、林茂耀さんによれば、初代は1914(大正3)年に建設された「山月橋」。地元の先住民、タロコ族が武装蜂起して旧日本軍に平定された戦い「タロコ戦役」で、先住民を包囲する「隘勇線」の一部として設けられた。当時の台湾総督府は、先住民が住む山間部に駐在所を置き、植民地政策の推進拠点としていたが、山月橋は長くて高く、現地に派遣された日本人警官が恐怖のあまり辞職を考えたと伝えられ、「辞職橋」という別称があったという。
2代目は1930(昭和5)年に竣工。この年代に立霧渓流域で金鉱が発見され、道路が整備されることとなったが、工事中に2代目が破損して取り壊され、1941(同16)年に上流に3代目が建設された。4代目は、観光客の流れを分散させることを目的に2016年に着工し、昨年5月に竣工。その後、周辺道路や遊歩道、バリアフリー設備などの整備が進められていた。
同処の陳乾隆副処長によると、山月吊橋が設置されている場所は風が非常に強いため、橋のたもとには風速計が設置され、必要に応じて観光客を退避させられるようになっている。また、風を効率良く通し、安定性を高めるなど、さまざまな工夫が施されており、これまでに良質な公共事業に与えられる賞を2度受賞している。
当面は試験運営期間として、完全予約制を採用。時間は毎日午前9時、11時、午後1時半、3時半の4回で、それぞれに45分間のガイド案内が付く。定員は1回に付き200人まで、一日800人に限り入場できます。予約は同処の公式ウェブサイトで7日から受け付ける。